今江克隆のルアーニュースクラブR「リールチューン二大巨匠の究極チューニングを斬る!LX922RS × LX922KTF」の巻 第1047回
ABUのベイトリールの楽しさは、良くも悪くもそのシンプルな構造から自らの好みにチューンアップできる「遊び」が多いことにある。
遊びがなく、世界一の高精度高機能に仕上がっている国産最高機種は、ある意味、誰もが同じフィーリングで使えるが、裏を返せば自分のクセや好みに合わせて、あとから自由にイジる余地は少ない。
今週は、リールチューンのサードパーティーとして日本最高峰の匠(オタクとも読む)と称しても過言ではない2人の、驚異的ともいえる「Revo LX992Z」チューニング対決を今江的視点から分析してみよう。
新たなバーサタイルベイトフィネス「LX992Z」
「LX992Z」が発売されて以来、デフォルトでも従来のLTZ、LTX系をはるかに凌ぐ完成度と使用範囲の広さは、新たな「バーサタイルベイトフィネス」としてすでに高く評価されており、多くの注残を抱えたまま現在も入荷待ち状態となっている。
メーカーアナウンスでは4月再入荷予定がコロナ過のためさらに大幅に遅れており、次回入荷は上手くいけば5月末頃が期待される。
そんな「LX992Z」を、開発当初からABU公式チューナーとして認定され、フルチューンモデルの「LX922RS」を開発して来たのが、武本氏を代表とするREVIVEである。
REVIVE武本氏「LX922RS」
オフィスZPI時代から意匠登録を持つ小径化リング機構を使い、ベイトフィネス専用機として4月に完成を見た「LX922RS」は、間違いなく現時点での全ABUベイトフィネス機種の中でも突き抜けた段違いの性能を有すると断言できる。
REVIVE/RSの最大の特徴は「LTZ930pro」時代からの継承で、とにかくストレスのない、咄嗟のフルキャストでもバックラッシュやキャスト後の糸浮きが非常に少なく、強い弾道でカバーに押し込むようなアグレッシブなベイトフィネスを信条としている。
「LX992Z」がLT系よりロングノーズ化されたことで、レベルワインドを前に出す鉄仮面を付けずして「LTZ930pro」を超える性能を実現している。
そして何より「LX992Z」は、スペアの中深溝で14lb75mのラインキャパを実現することでベイトフィネスのみならず、巻きモノリールとしても高い適応性を持つことになった。
REVIVEでは、「LX922RS」の完成後、LTZにも存在したポン付けで使用できる巻きモノ専用の中深溝スプールの開発を考えていた。
沢村幸弘プロから、とんでもないスプールが!