今江克隆のルアーニュースクラブR「1年ぶりに開幕!TOP50遠賀川戦の詳細と使用ルアー&パターンを紹介」の巻 第1045回
練習での感触は?
今回、開幕戦練習は3月14日から4日間、直前3日間の2回行ったが、プレッシャーの少ない最初の練習では春の定番である最上流の堰の流れのあるフラットで、「IxIシャッド」や「タイニーゲンタホッグ」、「スキニーイール(クローラー)4インチ」などのネドリグで比較的簡単に釣ることができていた。
中流、下流でも「IxIシャッドTX」や「ヘルターツイスター1/2oz」+顎リグ5gで2.5m前後の反転流の起こる地形にあるハンプを舐めるように叩くと、グッドサイズのプリが比較的簡単に釣れていた。
これによって状況とポジションは掴めたが、この後、福岡チャプター、JB九州プロ、TOP50と3連戦が続くことを考えると、安易な釣り方は一切通用しなくなることは明らかに思えた。
案の定、JB九州プロ戦終了後、2度目の本番直前練習に入った初日は、最上流に真っ先に向かったがすでに大銀座状態……それでもまだ「スキニーイール3インチ」のネコリグやガルプのキャロで比較的簡単に釣れたが、その堰周辺の6ケ所のキースポット多くのプロが間違いなく狙うことが火を見るより明らかだった。
先にも述べたが、世界最先端、最先鋭電子機器のフル装備で、もはや目に見えない、シークレットピンスポットなど全くないに等しく、みながすべて「岩一個」まで知りつくしていることが常識なのが、今のTOP50である。
一方で、中流下流は高気温で晴れの荒天が続き水質が著しく悪化。減水で堰が閉鎖されたため、非常に厳しい状況になっていた。
直前初日練習では期待していたスポットがほぼ全滅……流れのある堰周辺以外で魚の反応を得ることができず、さらに快晴が試合2日目まで続く予報もあり、巻きモノ系は壊滅。初日から非常にヤバい試合になる空気をヒシヒシと感じることになった。
直前練習2日目、全てを捨て、掴んだ!
直前練習2日目、晴天無風。
この日は中下流を、さらにスポット精度を上げて超スローに釣ってみるが、本気で1尾釣ろうとしてもノーバイト。
これは真剣にヤバい……何か完全に変わったと確信。
とにかく何でも試してみようと、ビッグベイト、スイムベイトと様々な手を尽くすが反応はない。
そんな中、前回の練習で「ヘルター(ツイスター)」が効いたので、小南プロに頼んで準備していた「バスロイドJr」のアンブレラリグを半ばお試しで水門前の何もない場所で試し引きしたところ、まさかのビッグバイト!
続いてバックシートの渡辺にもバイトが出た。
その場所が一級エリアのピンではなく、その周辺のフラットだったこと、そして今のバスが喰っているものはエビではなく、泳いでいる小さなベイトなのではないか?と考えが変わった。
ただ、付け焼き刃のアラバマ系、アンブレラ系を試合でメインに使うのはあまりにリスクが高い。そこで何かイメージ的に共通点を見出したのが「ハドルスイマーエラストマー(ハドエラ)」の高速ロールミドストだった。
まさか遠賀川でリアルカラーの「ハドルスイマー」ミドストなんてやったことも、聞いたこともないと思いながら、同じような中流のロックフラットで試し巻き。
イメージは、「ウッドペッカー61L」で細かく強く叩く感じスイミングロールさせる“ソフト”スピナーベイトの超スローローリングのような感じだ。
「ハドエラ」は高浮力のためジグヘッドは1.3~1.5gでかなりスローシンキングになるうえ、何より風の強い遠賀川でも気持ちよく遠投が可能だ。
軽く泳がせたところ、濁りの中でのそのフラッシングの明滅のリアルさがやけにイイ感じで、「コレ、釣れるかも?」と投げ続けること数十分、いきなりベタ凪のド中層から1500gのプリが「ハドエラ」をひったくってきた。
まさに遠賀川初体験の「マッディリアルミドスト、ありなのか????」状態。
だが、半信半疑が確信に変わるまでそう時間は掛からなかった。
ノーバイトだったエリアで連発、3本Kgアップを釣った時点でこれを試合の軸にすることを決めた。
プリプラで掴んだパターンを全て捨てた瞬間でもあった。
1年ぶりに開幕!