ウェブで行われたフィッシングショーのおかげで、例年よりは釣りに行きやすかったアベンジルアーデザイナーの赤松。
おかげで2月頭から順調にランカーを獲ることに成功している。なにせ、ランカーを狙うなら2月、3月、4月の3か月間が勝負の月になる。特に2月の前半、まだ寒い時期の最初のタイミングをとらえることに赤松は集中する。
赤松 拓磨(Takuma Akamatsu) プロフィール
春バスが動いたと確信、そのきっかけ
2021年、最初の春バスは35cmのオスバスで、これが2月6日だった。
ルアーはスピナーベイトのアベンジスピン。通常、ため池では1/2オンスを常用しているが、このときはドシャローだったこともあり、3/8オンスをセレクトした。シーズン開幕のド定番カラーは白。膨張色でシルエットを大きく見せる。
「2月に入って最初の暖かい日でしたね。それで浅場のバスが横の動きのルアーに食った。サイズは大きくなかったですが、春のバスが確実に動いたと確信できた」
一日中、暖かい日で、その夕方に水温が上がり切ったところで口を使うだろうという読みである。横の動きに反応するシャローのバス。この1匹が春の始まりを告げる1本となった。いよいよランカーが狙えるシーズンである。
スイムジグで55cm。絶妙な弾性とティップを持つアベンジ70Hの存在
狙いすました2月11日。2月最初の新月大潮である。
確実に大きい魚が動くに違いない。ため池にある枯れたウィードがたまるシャローの一角。ルアーはスイミングショットネオ1/4オンス(ラグゼ)のプロトをセレクト。ワームはスイングインパクトファット(ケイテック)。いわゆるスイムジグである。
時間は12時40分。春にもっとも実績のある昼マヅメである。
いったん岸にスイムジグを着地させてから、池に落とし、岸際1mのボトムギリギリを巻く。水深は50cmにも満たないシャロー。バスのチェイスと同時に水面に波紋が広がり勢いよくバイトしてきた。
サイズは55cm。
「ジグは斜め上を向いた姿勢をキープして、水平に移動する。このときテールがボトムをかき回して、砂ケムリを出す。これがバスにアピールする」
カバーや岩にスイムジグが当たってスルリとかわすでもなく、元気よく跳ねるでもなく、一瞬、動きが止まり、3cmほど微細に跳ねる絶妙な動きの瞬間にバスがバイトしてくる。
このアクションを出す事ができないと、ランカーがなかなか口を使ってくれないのだが、ローギアのリールや高弾性のロッドでは、くわせのアクションを出す事はできない。
「ロッドが勝手に衝撃を殺してくれるものが望ましい。スイムジグのコンタクトの衝撃を殺すことで、一瞬、障害物にスイムジグが接触したままの間を作り出すことができる」
コンタクトの際、ロッドがもたれるようにベンドする繊細なティップを備えたものが必至。
「無駄に感度がありすぎる竿ではなく、『あれ?止まった?何かに当たった?巻けない』となる中弾性の竿がいい。なんならグラスでもいいくらい」
必ずしも高弾性・超高感度ロッドで水中の様子を明確にすることが絶対的な正義ではなくなりつつある昨今。スイムジグにおいても、ワームの釣りとはいえ中層を横移動する巻き物の釣りとしての性能も要求される。
同様にリールのギア比にもこだわりがある。ハイギアのリールを使うと、ストラクチャーにコンタクトした瞬間、ハンドルが止まる。そこから、ハンドルでグイッとひと巻きすると制止していたスイムジグが小さく跳ねて加速する。この動きにランカーは弱い。これがローギアのリールだと、巻く力が強すぎてストラクチャーを止まることなく乗り越えてしまう。また、ロッド操作で勢いよく外すアクションにも反応しない。
「アベンジ70Hの弾性とティップは本当に絶妙で、スイムジグでランカーを仕留めるのに最高のセッティング」
スイムジグはバイブレーションを引けないような春の枯れウィードまわりで、ランカーに対しもっとも有効な攻め方である。
2月後半からスポーニング前までは、実はトップが
2月22日。18日から暖かい日が続いたものの、連日、風が強かった。ところが、22日の朝は風がなかった。
「これはトップに反応するタイミングに違いない」
投入したのはACミノー7(テールチューニング済み)。日の出から時間がたち、水面温度が上がった9時22分の出来事。引き波を出してスローに巻いたところで水面を割ったのは53cmだった。
「2月後半からスポーニング前までは、実はトップで釣れやすいタイミング。ただし、この時期はスローなアクションがいい」
ボディのかなりを水中に沈め、ゆっくり水をかきまわすタイプのルアーがいい。ACミノーのようなビッグベイトのほか、はねものも強い。また、バズベイトやアベンジプロップのような威嚇系の動きは、3月中旬になると反応するようになる。
「アベンジプロップが効くのはこのタイミングですね」
一方で、サーフェイスクランクやペンシルベイトのような早い動きのトップウォーターはスポーニングから回復しきった梅雨ごろまで出番がない。
ランカー、続々
赤松がホームエリアで目をつけているランカー狙いのため池は5カ所ほどに絞られている。その中で枯れウィードが少なくバイブレーションを引けるため池がひとつあったのだが、2020年と違って2021年は枯れウィードの量が多くプラグの出番がなくなりつつあった。枯れたウィードの中を横に引けるルアーとなると、スイムジグに行き着く。2月28日14時19分、50cmオーバー、スイムジグ。
昼過ぎにランカーを仕留めた夕方、風がなかったため、トップを投入したもののナマズばかりが反応した。そこで、シャッドテールワームに316Rをセットし、ネイルシンカーをいれた。水面にはできらないものの、トップが有効に違いないと思われる時に水面直下をこのリグで探る。ロッドを水平に構え、水面にテールの波紋が出る程度にスローに巻く。吸い込むようにソフトなバイトで抑え込んだのは、これもランカーだった。
「この時期は、まだ、噛む力が弱くくわえているだけなので、バイトしてきたら反転を待って巻きアワセでのせます。ロッドを強くあおるようなフッキングではなかなかフッキングできない」
さらに3月6日12時14分。やはりスイムジグでランカーを追加。
この先、季節が進行するとスイムジグの釣りがジグストの釣りへと移行する。ようするに、バスの動きがスローになり、また、縄張りを意識し始めるため、ボトムを叩く釣りがメインになる。その1匹が3月13日のランカー。
「あ、いや、季節が進行すると、ジグストの縦のアクションがよくなる。これは間違いありません。ただ、この1匹は違います。池によって季節の進行が異なるわけですが、この池は遅れていたんです。色が白くて、お腹に赤い斑点があるのは、泥の中に潜っていた証です」
冬季、減水していた池に雨が降り、増水したことによってシャローができあがり、ようやく池の中の魚が動き出した。まだ、動き始めだったために、スイムジグではスピードが速くバイトがでなかった。そこで、ジグストに切り替え、スローに、タイトに狙いに行った。
「ジグストの場合は、キングコブラの3/8オンスをキャストします。ワームはバルビューター(デプス)をセットし、反応がなければ、リルラビット(デプス)やベコンクロー(デプス)にチェンジしますね」
赤松は、2月からの約1か月間で計6本のランカーを手にすることができた。
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