宵姫爽インプレby西山宣之
11月以降、好調なのがメバル。西山は、他の釣り物がひと段落したころからメバルに足繁く通うようになる。
「瀬戸内エリアで僕がメバルに本格的に行きだすのが12月中旬~1月中旬。2月3月は産卵で抜けて、3月の後半、4月、5月は産卵からの回復個体が釣れるようになります」
西山の得意とするエリアは急流、それもデイゲームだ。
西山 宜之(Noriyuki Nishiyama) プロフィール
瀬戸内の急流デイメバル
「もちろん、夜も釣れます。ただ、仕事の関係で日中のほうが時間を作りやすい。それよりなにより型のいいブルーバックがデイゲームで連発します」
ブルーバックとはメバルの種類で、シロ・クロ・アカの3種類のうちクロメバルの事をさす。クロメバルという名前ではあるが背中が青っぽい色をしており、釣り人はブルーバックと呼んでいる。
他のメバルに比べ回遊性が高く、良型が多い。また、他のメバルは夜行性が強い傾向にあるが、ブルーバックに関しては明るい時間帯に口を使う。
西山の狙うポイントは流れの強い場所。瀬戸内エリアに点在する島の中に、いくつかの有望ポイントがある。
「日中のいつでも釣れるんですが、いいサイズが口を使うタイミングがあって、上げ潮5分から満潮にかけて沖からの当て潮が時合いです」
このタイミングでは25~27cmがそろう。下げ潮や上げ始めで釣れるのは15~18cmとかなりサイズが落ちる。攻略にはスプリットリグが適している。
「ジグヘッドだけでもいいんです。ジグヘッドの方が食いはいい。だから、最初は近くに浮いているメバルをジグヘッドで拾う。その後、飛距離とレンジの両方を広く探れるスプリットリグにチェンジ」
ウエイトは5B。ジグヘッドはラウンドヘッド0.6gにノレソレ1.8インチ。ウエイトとフックの距離は60cmが目安になる。
PEラインは0.3号か0.4号。リーダーは1.2号ヒトヒロをベースに、岩礁帯やウィードが絡むエリア、尺メバル狙いでは1.5号や1.7号を使う。
「5Bは1.7g。5Bで探り切ったら次は5gにチェンジします。先日の釣行の場合であれば、3g台のウエイトで細かく刻んでもいいんですが、極端に重くすることで条件を大きく変え、まったく違うことをやってみました。魚の活性が高かったのもあります」
5gにすることでかなり遠くのポイントを探ることができる。
「かなり深いレンジまで沈める事も可能です。ただ、その日は上のレンジでガンガン当たってきたので、わざわざドリフトに持ち込む必要性がなかった」
ノレソレのムショクトウメイという完全なクリアカラーの食いがもっとも際立っていた。
「ほかにクリア系のピンク、チャートは必ず持っていきます」
宵姫爽S73Lソリッド
ロッドは、宵姫爽S73Lソリッド。
「S73Lソリッドの最終プロトを使いましたが、めちゃくちゃいい。テスターだからっていうわけじゃなくて、一アングラーとしての率直な感想です。先に発売価格を聞いていたので、期待してなかったんですよ。2万円そこそこなら、それなりかな、と」
入門機くらいの気持ちで試しに釣ってみたが、いい意味で裏切られる形となった。
「期待以上だったというか戦闘能力が高すぎて、極端な話、宵姫爽だけで釣りをしろといわれて困ることはない。十分というか、ずば抜けた完成度ですね」
1g前後のジグヘッドとキャロの両方を1本でまかなえ、しかも、引きの強いブルーバックの27cmクラスも難なく取り込むことができた。
「ちょうどいいです。1本でなんでもできるし、ランディングでウィードや根に潜られるのをかわすために浮かせる力もある。張りもあるし、感度もいい。気持ちよくキャストできます」
宵姫爽S73Lソリッドを相当気に入った様子の西山。
「僕だけじゃないですね。同行した友人に使ってみてもらったら、『これ、買いますわ。もう予約します』って(笑)。発売になったら取り合いになりそうですね」
モデルNo. | 標準全長(cm/ft) | 希望本体価格(円) | 標準自重(g) | 仕舞寸法(cm) | パワー | 使用材料(%) | 継数(本) | ルアーウエイト(g) | 適合ライン(PE/号) | 適正ライン(ナイロン/lb) | 先径(mm) | グリップ長(mm) |
S73L-solid | 221(7’3″) | 23,500 | 60 | 115.0 | 115.0 | C99.5 G0.5 | 2 | 0.1~10 | 0.1~0.3 | 1~3 | 0.85 | 255 |
※C=カーボンファイバー、G=グラスファイバー
宵姫爽S53FLソリッド
ほかにもう一本、宵姫爽S53FLも西山は手にしている。
「実をいうと、いままでこの長さと強さのライトゲームロッドは使ったことがなかったんですよ」
西山がメインで使用しているのは宵姫華のS74LソリッドとS66MLソリッド。
「急流で25cm以上のメバルを狙う事が多いので、6フィート以上のややパワーのあるロッドがメインだった。ですので、宵姫爽ならS73Lがベストですし、短いジグヘッドロッドならS63ULソリッドが興味深い。そこにきて53のFLですからね。さすがに短いし、パワー不足だろうとは思ってしまいます」
とはいえ、せっかくの機会だとS53FLも振ってみた。
「アジで試したかったんですが、アジの調子がよくなかったので、メバルメインで試しました。1g以下のジグヘッドの操作のしやすさとか、手元に伝わってくる感度がすごいですよね。S73Lよりも精度の高いジグヘッドの釣りが可能です。それに手返しがいい。なにより細かいアクションがつけやすい。射程距離内に獲物がいる状況なら、S53FLは頼もしい武器になりますよ。飛距離が欲しい時はS73Lの出番になります」
25cmまでのメバルや27cmまでのアジを取り込んだ西山。
「どちらかといったらアジング用かな。あるいは、20cmあるなしのメバルにちょうどいい。尺手前のメバルばっかりを釣るような僕のスタイルだと、寄せてきたときに藻に突っ込まれないようにするのがちょっと大変でした。そういう意味でもS63ULが気になりますね。爽の魅力はちょっと気になる、ちょっと試してみたいと思た時に購入を検討できる値段設定ですね」
5万円を超えるようなハイエンドモデルの場合、1本を選択するのにあれこれ悩む人が多い。一方で、価格を抑えた宵姫爽なら複数本、揃えやすい。
「値段的に、長いのと短いののどっちにするかではなく、両方、揃えようかなっていう選択肢ができたことはいいですよね」
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