【2021年で10周年を迎えるサーティフォー】家邊克己が「究極のしなり」をテーマに作成中のメモリアルロッドについて詳しく解説!
2021年、サーティフォーは10周年を迎えます。
それを記念に、現在メモリアルの限定ロッドを作成中です。僕は今までエサ釣りからルアー釣りまで色々な釣りを経験してきました。
その経験がアジングに活きていて物作りも同じ、「答えは海にある」をモットーに毎日のようにこの10年間海に出かけてテストを繰り返してきました。
このスタイルは今後も変えることなくサーティフォーの伝統にしていきたいと思っております。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
「究極のしなり」をテーマにしたスローテーパーロッドを作成中
今回のロッドは「究極のしなり」をテーマに作っています。
近年、アジのエサが小魚からプランクトンに海が富栄養化するに伴い、どんどん変わり続けています。
アジを釣るには長時間プランクトンの塊の中にワームを定位させなければならなくなりました。そうするとジグヘッドは軽量の物を使う事が多くなり、軽量ジグヘッドを感じやすい高感度なロッドが求められるようになってきます。
ですから、軽量ジグヘッドが投げやすくて操作もしやすいスローテーパーのショートレングスタイプのアジングロッドがサーティフォーでは主体になってきています。
理由はスローアクションのロッドは曲がる範囲が広いので、軽量のジグヘッドを投げる際にロッド自体がムチのようになり、軽量ジグヘッドを遠くに飛ばしてくれます。
また、曲がることでアワセに遅れが生じやすく、それをカバーするためにレングスを短くしてジグヘッドの操作感良くしています。
棒のようなファストアクションのロッドでは、軽量のジグヘッドを投げるにも投げ難いしショートレングスにしても曲がらないので、ティップに軽量ジグヘッドの重量が乗らないので感覚が鈍ってしまいます。
ロッドを動かす際もダイレクトにジグヘッドの動きに直結するので、移動する距離が大きくなり、今の動かさないプランクトンパターンのアジングには不向きです。
そこで今回の10周年記念限定ロッドは、どこまでスローに出来るのかをテーマに作ろうと決めました。
トップだけが曲がる特殊設計に
スローテーパーといっても色々ある訳で、今回は1ピースの感覚に近い2ピースにしました。
どういうことか説明しますと、通常2ピースの場合はトータルでアクションを考えます。
しかし、今回はトップだけをスローアクションに設定し、バット部分はグリップ感覚にしようと考えました、いわばグリップジョイントみたいな感覚です。
そのためバット部分にはガイドを入れず、トップのみにガイドを配するようにしてトップのアクションがスムーズになるようにしています。
ですが、トップが結構しなるのでバット部分がブレないようにナノアロイの55tカーボンを使って強くして、トップのブレを収束するようにしました。
トップはムチのようにしなりグリップがそれを支える。そんなロッドに仕上がると思います。
レングスは、5f10in。素材は東レ製カーボンでT1100Gの33tと40tとナノアロイ55tのコンポジット。アクションは大体決まりましたので、後はデザインだけになっていて発売は2021年6月を予定しております。
詳細が出ればまたこのブログでご紹介させていただきます。
感覚的なことが多いロッド作り
ロッド開発において実釣テストは欠かせなくて、机上でロッドの感度とか取り回しなどの実釣バランスは考えれません。
特に感度の場合は個人の感覚の問題ですので計算が出ません。
ですので、サーティフォーでは僕の感覚を基準に感度を決めています。僕の感覚が変わってしまうのが不安で怖いので、毎日のように海に行くことになります。
ロッドを作る上で一番難しいのは、その感覚の部分なのです。
アタリがよく分かる=感度が良いとはなりません。
アタリにも色々な種類があって、様々なアタリが全てが判るものが理想のロッドな訳ですが、そんなロッドは存在しないのでサーティフォーの感度基準をクリアした上で今回は抜けアタリに比重を置く、反響感度に比重を置くなどを決めて調整していきます。
カーボンにしてもサーティフォーの場合は東レのカーボンを使っておりますが、そのカーボンも種類があって、t数にしても沢山ある訳です。
その組み合わせは使用する範囲まで考えると無限にある訳ですから、大まかに言うとまず最初はレングスを決定させ、アクションによって取り回しが変るのでアクションと取り回しを決めてから振り抜けと感度を見ていきます。
今回の場合でも軽量のジグヘッドを、より遠くに投げるのはロッドの振り抜けが重要。
振り抜けが良いとロッドを振るスピードが非力な人でも伸びますので飛距離が出ます。
そして同時進行でデザインもやっていきますが、昔はそれほどデザインに拘る必要がなくて、どちらかといえば実践的で良かったのです。
ですが、それだけでは物足らなくなったので、デザインにも拘るようにしました。
デザインによって使い易さが変わるので、ここでのテストも必要。昔よりもロッドを作るのに時間がかかるようになってきました。
そういったことを何回もプロトを作り直すことで調整し、あらかじめ決めておいた理想の到達点に近づけて完成させるのです。
今回のロッドもきっと皆様が満足いただけるものに仕上がると思いますので、よろしくお願いいたします。
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