今江克隆のルアーニュースクラブR「中層攻略の新兵器!ワカサギ“マジック”スプーンの全貌を紹介」の巻 第1033回
「ワカサギマジックスプーン」の核心
では、そのスプーン革命の核心とは何か?それはズバリ「左右対称形状のスプーン」である。
「WMスプーン」の最も異端な点は、「ティアドロップ形状」がスプーンの常識の中で、左右対称形状、センターバランスになっていることだ。
これは今江的スプーンの発想の原点が、左右対称スプーンの極めつけ、「グルグルX」の驚異的ハイピッチロールのジグザクフォーリングアクションにあったからに他ならない。(「グルグルX」についての記事はコチラ)
今江克隆のルアーニュースクラブR「スプーンに全集中〜難解な中層のワカサギ喰いバスをカンタン釣るために〜」の巻 第1022回
しかし、「グルグルX」にはトラウト専用ルアーだけにバスルアーとしては欠点があった。それはフォールが遅すぎてとても4〜13mの水深ではかったるく、底取り感は皆無に近いことだ。
フォールは「グルグルX」のそれを維持しつつ、操作感はメタルジグのそれを併せ持つスプーン、それが開発コンセプトだった。
これを偶然にも実現したのが、センターバランスで左右対称の細身のフォルム、片方はRを強く出し、片方はフラット面(F面)を残しR面とは反対のやや逆反りにした独特の形状である。
この形状によって、図のようにセンターバランスながら左右で水の受け方が異なる特徴を持たせた。
フォール時に下になるR面は水を受け流し、F面は水の抵抗をモロに受ける。
ここで重要になるのがフックの重さで、センターバランスでもフックの付いている方が当然重くなる。
ゆえに「WMスプーン」は、標準の「順付け」では、R側が重くなるためラインテンションを張ってスプーンを立たせる姿勢にすると素早くバックスライド気味にファーストシンキングとなる。
一方、完全にラインテンションを抜くとスプーンの姿勢はやや平行姿勢に戻り、細身のボディと相まってハイピッチのZIGZAG軌道の「滞空時間の長いフラッタリングフォール」に変化するようになっている。
これが「WMスプーン」が、水深10mのディープでもメタルジグ並みに素早く底を取ることができ、ラインテンションで滞空時間を自由に操れるキモの部分となっている。
左右対称、センターバランス形状で思わぬ効果が!