今江克隆のルアーニュースクラブR「2021年の新作ルアー!最注目スイムベイト・レイジースイマーを紹介」の巻 第1032回
細部までこだわって”日本式”に改良!
その他に、ボディは基本的に「ハドルトラウト」をリスペクトしているが、かなり日本式に細部にわたって改良を加えている。
まずフロントのアイ位置を前方部に移動することで、「ピアストレブル ブルータル#1/0(リューギ)」をベスト位置にセットでき、背中を出してヒタヒタで浮く浮力と水平姿勢を保つように調整。
このアイ位置にすることでフックサイズを落とし、プリットリングでアイに直結することで、チューニングで後方にアシストフックをセットできる余地を残すことができた。
また、特に「ハドルトラウト6インチ」は浮力体とワイヤーの取り回しから、アゴ下部分にネイルシンカーを極めて入れにくく、入れても抜けやすかったことから、水平姿勢を確保する浮力体の形状を工夫し、アゴ部分とアイ後方にネイルシンカーを刺しやすいスペースを確保している。
ソフトルアーなので個体差があるが、おおむねアゴ下に0.9g前後のネイルシンカーを入れることでサスペンド~超デッドスローシンキングに調整できる浮力になっている。
他にも尻ビレ3枚を極薄化し、デッドスローでもテールの動きに連動しピリピリと震え続けるようベスト位置と薄さに調整している。
また、最終的にネーミングの決め手となったのが「超眠そうな目」で、あまりにも眠たそうでナマケモノみたいに見えたので“ナマケモノ睡魔”を英語化して「レイジースイマー」と名付けた。
ちなみに正直話すと、当初自分が意図していた目のデザインとは仕上がりが全然違っていてかなりショックを受けたのだが、コロナ禍の中、なんとしても2月末に納期を間に合わせるためにそのままGOしたという経緯がある。
ただ、居眠りしそうなぐらいゆっくり巻くのが「レイジースイマー」の最大の武器なので、この眠たそうな(クマができてる)眼は、体を表すちょっと他に無い個性的な眼になったかな…と今は気に入っている。
最後に、「レイジースイマー」で最も苦労したのは、やはり全ての素材をJB/NBCエコ認定を取得できる素材でデザインすることだった。
試合で使えないルアーは、どんなに優れているルアーでも、釣れれば釣れるほど逆に虚しくて、普段の釣りで使う気になれない。
あらゆる点において本格的なスイムベイトのエコ樹脂化は不利な条件が多い。それが足掛け8年以上にも及んだ最大の理由かもしれない。
「レイジースイマー6インチ」はコロナ禍で予想外のことが起こらない限り、2021年3月頭には市場に並ぶと思います。価格は2,000円前後を予定しています。