今江克隆のルアーニュースクラブR「2021年の新作ルアー!最注目スイムベイト・レイジースイマーを紹介」の巻 第1032回
「ハドルトラウト」越えに重要な2つのポイント
そして2020年、ようやく2つの「ハドルトラウト」越えのヒントを掴んだ。
それが「超デッドスローでハドル越え」、もう一つは「一切ダートしないハドルトラウトをダートさせたい」である。
正直なところ、8年間も散々試行錯誤していたのはテール部分でハドルテールに並ぶか、超えることだった。その越えたい能力が「超デッド」と「ダート」の2点である。
もちろんそれをエコ樹脂で、しかもフローティングで実現することは、他のメーカーから今も競合品が出ていないことを考えても、いかに作ることが難しいかが分かるだろう。
超デッドスローに関しては、長年の試行錯誤の末、上から見ると悪魔の尻尾(デモンテール)のように見える90度近い逆バンクエッジをハドルテールに加えること、同時にテール長を「ハドルトラウト」より若干長くすることで、水掴みを強化したことでさらに低速でもパワフルに動くテール「デモンテール」をついに考え出した。
しかし、テール付け根を長くするとデッド能力は素晴らしくなるが、高速で巻くとテールが横にネジレて倒れ、ボディまで斜め泳ぎになってしまう。
その解決に多大な時間を費やしたが、幸いにも「ステルススイマー」で学んだ「スタビライザーフィン」をコンバートすることで解決を見た。
そしてダートに関しては、「デモンテール」に辿りつく前段階の試作で、「スプリットリッジテール」にすることで、ワンジャークダートが発現することに気が付いていた。
ただ「スプリットリッジテール」では若干「デモンテール」より波動パワーが落ちるので、最終的に「デモンテール」中央部に凹みを付け、センターシームを設けた。
そしてそのシームに沿ってハサミを入れると「スプリットリッジテール」のダート力を得られるオプションを考え付いた。
巻いて釣るか、近距離でのサイトフィッシングでのワンジャークを重視するか、場面によって選択できるオプションを用意したのが、現在の「デモンテール」独自の特徴である。
さらに細部まで日本化!