今江克隆のルアーニュースクラブR「最大の収穫は?2020年を振り返る〜2021年の注目トピックも紹介〜」の巻 第1031回
スピニングロッドの進化
タックル面に置いても、未完成で投入していた超高速ハードシェイクロッド、通称「ポッキーロッド」をジックリ慌てることなく丸1年掛けて完全にトーナメント専用スピニングとして2機種仕上げることができたのが大きな意味を持った。
この数年、ヒジや手首に故障を抱えており、得意だった高速シェイクから逃げる方向で騙していたが、ソリッドと見紛う細身で高強度を持ちながら、高感度超軽量を実現した折れない「ポッキーロッド」の完成は、サイトフィッシング以外で攻めるスピニングとして来期の守護神的な存在になるだろう。
他にも水深10mのディープクランキングを実現できるPEパワースピニング「スカイスクレイパー改」、「ハングマン」のスピ二ングバージョン、サイトホークの強化機種「ブラックホーク」など、トーナメントを見据えた過激なスピニング機種の開発も、時間を掛けて十分にできたと思う。
ベイトロッド開発の成果
またベイトロッドでは、PEベイトフィネスの主力となった「ハングマン510FMX」、名竿「ブラックレイブン」のショート版ともいえる高弾性カリカリの「ブラックガゼル63MHX」、繊細な操作に特化した300g対応のビッグベイトショート「64SHX」など、今年は一般的に誰が使っても最高水準の使い心地を実現するインスピラーレ・シリーズとは全く別路線の、純粋に自分専用、トーナメント専用とも言える尖り切った機種開発を同時進行できたのは、過去に例のないことだった。
試合がないからこそ、試合を見据えて自分のワガママ優先でジックリ試行錯誤できたことが今年の最大の価値だったように思う。
まだ正式に決定はしていないが、これらの尖り切った“趣味”で開発した機種は、使い手を選ぶ超高弾性「テムジン」の血統として、「インスピラーレ」とは全く別ラインで限定受注生産機種としてリリースする可能性もある。
2020年最大の収穫は?