今江克隆のルアーニュースクラブR「ベイトフィネスのさらに向こうへ!PEベイトフィネスのタックルセッティングのキモを紹介」の巻 第1029回
「PEBF」専用のブレーキセッティングのコツ
では、「PEBF」専用のブレーキセッティングのコツを紹介しよう。
基本的には「慣れ」で解決できる問題ではあるが、「PEBF」ではフルキャストとピッチングの同時成立ブレーキセッティングはかなり難しい。
ピッチングに特化し、メカニカルカタカタ寸止め、ブレーキはフロロより弱め、腕を竿の延長として優しく振り上げ、フォロースルーで置きにいく感じで投げるとトラブルは少ない。
ただし、このまま「ピッ」っと言う感じで中間距離の強めなキャストをするとバックラッシュしやすいのが欠点だ。
バックラッシュが解きやすいのも「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」のメリットでもある。
慣性力を殺さないためにも「PEBF」には低粘度サラサラ高回転の「K.T.F.スーパーフィネスルーブ」がオススメである。
立ち上がりが鋭どければ鋭いほど、腕全体を使った緩やかなモーションで、置きにいくような竿の振り上げがベイトフィネスの基本である。
一方、今江的「PEBF」では、メカニカルはカタカタ寸止め、マグ強めでヒジと手首のスナップで「振上げを短く強く撃つ」方向性で使うことが実際は多い。
結構「雑」に見えるが、この方が少々の枝や葉っぱに当たってもお構いナシに差し込めるし、基本的に今江的「PEBF」は「水面に直接ルアーを落とさない」のが最大の狙いなので、岸の上やカバーの上を狙って空中(地上)でルアーを一旦止め、そこから着水音ナシで「降ろす」ように入水させるようにする。
そのために慣性の収束を意識し「狙った目標の向こう側に撃つ」感じでキャストする。

「PEBF」の目的は、ヘビーなカバー内でも、ルアーが着水したことをバスに気づかせないこと。基本的には水面、そして裏天井での勝負だ
着水音を出さない、ルアーを基本あまり沈めないことから、今江的「PEBF」でのリグの重さは、スモラバの場合で4〜5g+トレーラー、ネコリグ系でも2.3〜3.5gクラスのオモネコを使用することがほとんどである。
実はここが一番のポイントで、リグの軽さにコダワるより、PEラインでのキャスト、操作の精度と快適性を重視している。
逆に考えれば、これができるのが「PEBF」ならではの強靭なタックル、実質20Lbライン強度のゆえのメリットである。
今江克隆の「PEBF」は、ベイトフィネスを強化したものではなく、フルサイズジグタックルを極フィネスに転換させたコンセプトなので、ベイトフィネスやパワーフィネスではできない強引さも大きな武器なのである。
このように今江的PEBFの最大の狙いは「ルアーの着水をバスに悟られないアプローチ」、そしてスピニングでは不可能な、奥の奥にルアーを侵入させ、そこでビッグバスを掛けても獲れる操作力と力負けしない強度を保持していることであり、リールセッティングもよりPEラインの特性に合わせたキャストの快適性を重視したセッティングにしています。