ジャーキング専用ラインを作るにあたって、考えたのは“シーズンによってジャークの仕方が変わる”ということだったとヒロ内藤さんは言う。
いわく、バスが好むジャークによるルアーアクションは大きく2つに分かれる。
まず春先の低水温時、プリスポーンのタイミングではルアーアクションはキレがなくヌルヌルと泳がせるほうが魚は反応しやすい。
一方で水温が上がってくると、ロッドストロークにルアーを追従させて確実に細かい動きを出して泳がせる方が、リアクションバイトを作りやすくなる。
ジャークと言っても、タイミング次第でバスが好むアクションがあり、そのアクションを引き出せるラインがあると面白んじゃないか。これが、ジャーキング専用ラインを作るキッカケになったんだそう。
もちろん、これには個人の好みやスタイルも反映される。キレを抑えた控えめなアクションを通年好むアングラーもいれば、その”逆”もしかり。
つまり、意図してジャーキングのアクションを変えられるというのが専用ラインの目的だったんだそう。
プリスポーン時に効くとされる、キレのないヌルヌルとしたアクション。
これをラインで作り出すにはルアーの抵抗を吸収できる高伸度、つまり比較的伸びやすいラインが必要。そこで、3つのラインナップのうち12lbは”高伸度”に設定。
一方、水温が上がった時に良いとされるロッドストロークに対するキレのあるアクションはその”逆”。伸びにくいとそのアクションがルアーにダイレクトに伝わることから16lb、20lbは”低伸度”に設定。
同じタックル、同じルアーを使っていても、ラインの太さによってアクションの質を変えられる仕様になっているんだそう。
素材には耐摩耗性に優れた「RX-1」を採用。
しかし、さらに耐摩耗性で上をいく「RX-2」もある中で、あえて「RX-1」を採用したのはミノーを使用するシチュエーションが理由。
ヒロ内藤さんいわく、シャローフラットやサンドバーなど、比較的ストラクチャーが少ないエリアで使用することが多いミノーの釣りにおいて、極限まで高めた耐摩耗性は必要がなかったそう。
誤解を招くようなので追記しておくと、RX-1という素材は十分強い。むしろ、RX-2の耐摩耗性が群を抜いて強い…と言ったほうがわかりやすいかもしれません。
ラインは視認性に長けたオレンジカラーを採用。
これは、低水温期や急なフィールド状況の変化によってアタリが伝わりづらくなることが多いという経験から、目でアタリがわかるようにという配慮。
ルアーがフッと消えたり、引いてくるラインの軌道がズレたり。そんな繊細なアタリが、視認性の高いラインを使うことによって取れるようになるとのこと。
ここで、記者に1つ疑問が。人間にとって視認性の高いラインを使えば、それはバスからも目立つことになり警戒されるのではないか。
聞けば「イリュージョン、マジックと同じ原理なんですよ」と。ルアーを捕食する瞬間、バスはルアーしか見えていないと言う。それは“ラインが見えていない”ことを意味するんだそうで、視線を一点に集めて、大きなモノを突然消したりするマジックと同じ原理なのだと。
これは「機能を使い切れば本物のエサに似ていなくてもバスは喰う」という、ヒロ内藤さんのルアーフィッシングの考え方そのもの。
「見えないライン使ったほうがいいんじゃないですか?」という記者の問いに対し、「本物に似せるという意味で、それは疑似餌的発想だよ」と笑って答えてくれました。
ラインでミノーのアクションを調整すると言う発想。今まで手にできなかったバスを手にする、そのために試してみる価値はあるんじゃないでしょうか。
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