今江克隆のルアーニュースクラブR「偉大なる名作スイムベイトを超えろ!」の巻 第1018回
「クルシアンスイマー」誕生!?
その第一弾が、大型ブーツテールを採用した鮒(クルシアン)をモチーフにした「クルシアンスイマー」だ。
この「クルシアンスイマー」は、いきなりTOP50旧吉野川戦で馬淵利治プロが表彰台獲得をする威力を見せたが、自分的には「ハドルトラウト8」はもちろんだったが、試合用武器として「浮くハドルトラウト6/ROF-0」を超えるスイムベイトを目標としていた。
この「クルシアンスイマー」は、大きな「ハドル8」並みのテールをもつ2フック仕様だったため、浮いた状態でのバランスが悪く常にテールが沈んだスターンヘビーで、それがどうしても修正できなかった。
自分が「ハドルトラウト6インチ」で不満に感じていたことは、多くのマニアがそう感じていように、テールの動きが「ハド8」に比べるとスローでダイナミックに動かないことだった。ゆえにマニアは「ハド8」のテールを「ハド6」に移植したりしていたが、ウェイトを内部に入れられるシンキングモデルなら簡単なのだが、フローティングモデルではビッグテールの重さゆえに水平浮きは至難の技だった。
結局、特注の「浮くハドル6/ROF-0」でも水平浮きは厳しく、やや尻下がりの浮き姿勢だった。そのバランスの犠牲として「ハド8」のデッドスローでの振り子のような独特のアクションは弱く、スローも「ハド8」に著しく劣ってしまっていたのだ。
「クルシアンスイマー」作製から7年、途中様々な変更を経て、「マレット(ボラ)スイマー」へと変化したが、テールの動きを重視すれば姿勢がスターンヘビーに、姿勢が決まればテールがデッドスローでイマイチ…。
さらに自分を苦しめたのは、腹側トリプルフック仕様の時に水平に浮いてくれても、「背針」にアシストフックを背負った状態でも水平姿勢を両立するのは至難の技だったこと。これまでの開発経緯は、まさに「クルシアンスイマー」ならぬ「苦るしみあんスイマー」だった。
さらに3DR塗装難易度の高いエコ樹脂に十分な強度を得られる塗装を実現することも、開発期間を長引かせた原因である。
遂に「ハドルトラウト」を超えた!