飛距離UPと安定したスイミング姿勢を実現したTSL(トーションスプリングロックシステム)も採用
よって、向い風にも負けないということは克服できました。
しかし、ウェイトルーム壁と円柱ウェイトとの摩擦によるロックシステムでは、今回の超重量円柱ウェイトの暴れを抑えきれず、ウェイトは後方に移動してしまい、アクションが破綻してしまうことに…。
どのようにして、このウェイトの暴れを抑えれるのかに、悩まされたそうです…。
そこで! 書類などを止めるクリップに使われているトーションスプリングが大きなヒントを与えてくれることに! コレをシャフトグライダーシステムに内蔵し、TSL(トーションスプリングロックシステム)の開発に成功。
え?どういうこと? って思われている方も居られると思いますので、以下の写真をご覧ください。
これで、理解していただけたのではないでしょうか?
振りかぶる時は内蔵されているトーションスプリングによって、ウェイトは前方ロック状態をキープ。
キャスティングパワーが掛かった瞬間、トーションスプリングが開きます。
その時に生じる、強い反発エネルギーをムービングウェイトが獲得することで、ルアーを遠方へ導くかのように風を切りながら飛行!
着水してからはムービングウェイトがスイミングポジションに移動。
状況に応じて、ロッドティッップを軽く煽るとより速い泳ぎだしを実現。
つまり、”シャフトグライダーシステム”と、TSL(トーション スプリング ロックシステム)の採用で、向かい風に負けない飛距離と、圧倒的に速い泳ぎ出しを実現することに成功したというわけです。
飛距離と潜行レンジへのコダワリ
大林 朗さんは、ルアーの飛距離というのは「重たい=飛ぶ」では無く、物体の体積が小さくまとまっている重たい物は空気抵抗も少なく良く飛ぶと述べておられています。
「GYOKUSAI 135F 玉砕」に関しては、同サイズのミノーでは無いと言っても過言ではない、超重量円柱ウェイトが採用されています。
フローティングを実現するには、どうしてもファットボディーにする必要があるので空気抵抗も大きくなり、同サイズのルアーと比較しても圧倒的な飛距離という訳ではない。
ただ、「GYOKUSAI 135F 玉砕」の長所とは、シャフトグライダーシステムと超重量円柱ウェイトの採用で得られた、強風にも負けないトルクのあるパワーであり、これが飛行後半の失速を軽減し、向い風の中でもパワフルに狙ったポイントへ飛行。同クラスのルアーには負けない「GYOKUSAI 135F 玉砕」に秘められた力という訳です。
さらにもう1つ拘られているのが潜行レンジ。主なメインターゲットであるシーバスや青物、ヒラメなどのフィーディングゾーンは水面から水面直下であることが多いのは確か。
このゾーンを長くキープすることができ、水深の無い浅場でも海底にスタッグすることなく強く泳ぐ事に拘られています。
つまりこのルアーの最大のメリットは「この飛距離で、これだけ浅いレンジを、これだけ強く泳ぐ」を実現できているということです。