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【佐々木良治のイカメタル】ラグゼ「スピードメタル」シリーズで狙う好敵手

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エギング&イカメタル特集2020

暑い夏の涼しい釣りといえばイカメタル。

京都・福井の日本海エリアを主戦場に、北は新潟から、島根、鳥取、福岡、佐賀、熊本などの日本海・東シナ海エリア。

また、太平洋側の静岡、三重、和歌山、高知など、全国各地で盛り上がりをみせている。そんなイカメタルも9月に入るといよいよ終盤戦となる。

「日本海の京都あたりでは夏のイメージかもしれませんが、太平洋である三重では秋に一度終了し、冬にまた釣れだします。日本海の場合、冬に荒れやすいから海に出れないとかそういう事情があるでしょうね。シーズンは意外と長いですよ」

三重県でフィッシング光栄の船長として、日々、海に出る佐々木良治ラグゼプロスタッフ。船長、そして、アングラーとしての経験を通し膨大なデータを蓄積している。

佐々木 良治(Ryoji Sasaki) プロフィール

佐々木良治…ラグゼプロスタッフ。三重県にある遊漁船『フィッシング光栄』の船長として、連日、海に繰り出すオフショアゲームのスペシャリスト。イカメタルの他、バチコン、ティップランなどを得意とする。

ベストコンディションではなくても、攻略する楽しみがある

さて、海には大潮や小潮などの潮まわりがある。イカメタルの場合には、どんな潮まわりがいいのだろう。

「大潮・小潮というよりは、満月・新月の影響の方が大きいです。光で魚を寄せる釣りなので、真っ暗闇になる新月まわりの方が釣れやすい。満月の時は魚を寄せにくいですね。ただ、新月でも調子が悪い時もあるし、満月だからといって釣れないというわけでもないです。新月なので結果的に大潮・中潮になります」

新月まわりは数か月前から予約がいっぱいという船も多い。また、夏の新月回りとなるとわずか数日しかないし、平日の釣行が難しい人も多いだろう。

都合のつく日がサラリーマンにとっての釣行日。ベストコンディションではなくとも、ケンサキイカはいる。難しい状況を攻略するのがイカメタルの醍醐味である。

まだ明るい内に出船し、夕マヅメ、そして集魚灯が灯ってのナイトゲームを楽しむ

夕マヅメ前に出船し、まだ明るい時間にポイントへ到着した。

「ケンサキイカは、明るい時間にも実は釣れます。まだ、釣り方の開拓中ですが、ボトム周辺の深いタナを攻めるといくつか拾うことはできます」

イカメタルロッドの最新作「ラグゼ・スピードメタルR」を手に

デイゲームではボトム付近がセオリー。繊細なアタリに掛ける

デイイカメタルではボトム周辺のゲーム展開。集魚灯が点灯するナイトゲームでは刻々とタナも変わり、それを探っていくのもこのゲームの楽しみ

誘いの引き出し

とはいえ、メインは夜。船に装備されている集魚ライトが煌々と闇夜を照らし始めてからが時合いとなる。イカメタルの基本となる動作は、大きくシャクりあげ素早く落とすこと。

「ケンサキイカのタナから、一度、スッテの存在を消してやる。スッテをタナから大きく外して再び現れる様を演出してやるのが効果的ですね」

一度イカの視線からスッテを外すようにシャクり、ロッドを下げてフリーフォール。もちろんこれは誘いの一例。実際には様々なアプローチで攻略していく

佐々木はシャクりあげたロッドを振り下ろす際、ロッドティップへの絡みを防ぐために真下に卸すのではなく、斜め下に振り下ろしている。ゆっくりと下げる方がティップにラインが絡む心配はなさそうだが。

「素早く落ちてくるものに対する反応がいいです。だから、ラインがたるむようにフリーフォールで一気に落とす」

活性が高い時間は適当なやり方でも釣れるが、時間によって、日によって、釣れにくい状況もある。

「イカメタルの魅力は、釣れない時間帯にいろいろな技を駆使して、シビアなアタリをひとつずつ拾っていき数を伸ばすこと」

ほかのイカよりも美味しいと人気のケンサキイカ。だが、アタリは繊細でシビアなテクニックを要求される

スピードメタルスッテSFとFF

そういったシビアな状況を打破するための技のひとつとして例をあげると、佐々木はシャクって落とした瞬間に連続した細かいシェイクを入れることがある。

「時合いの真っ最中は、こんなことをしなくても乗ってくるんですが、時合いの前後ですね。イカの活性が上がりきっていないとき。潮の流れが緩い時に効果的です。シェイクで使うスッテはスピードメタルスッテSF(スライドフォール)がいい」

スピードメタルスッテSF(写真左)とスピードメタルスッテFF。異なる特徴を持つスッテを、潮流や号数なども加味してセレクトしていく

細かなシェイクを入れるならSFがマッチする

使うスッテは2タイプ。

「フォールやシャクリでひらひらと舞うスピードメタルスッテSF(スライドフォール)。コンパクトなシルエットで急流でもスピーディに沈めることが可能なスピードメタルスッテFF(ファストフォール)。」

ケンサキイカよりも獰猛なスルメイカ。かわすには夜光カラーを下げるなどアピールを抑えるのが有効

この2種類を佐々木は使いこなす。これにカラーとサイズのバリエーションが加わると膨大な数になる。

「重さはある程度、そろえるしかない。10号を使う場合もあるし、20号じゃないと釣りにならないこともある。これは釣りに行く海域や釣り船にたずねたいところ」

おすすめのカラーはどんなものだろうか?

「基本となるのは赤ヘッドの白ボディ、いわゆるレッドヘッドです。サバやスルメイカがいないなら、夜光のドットあり。そういったゲストが騒がしい場合は夜光ドットなしがいいです」

ドロッパーにエヴォリッジ

スッテのほかにドロッパーのカラーも気になるところ。

「ドロッパーのカラーに関しては、ボディが透けるカラーへの反応がいいです。毎年、ニューカラーが登場するんですが、2020年でいえばレッドヘッドグリーンやグリーンヘッドチャート、レッドヘッドピンクグローなどが好反応です」

ドロッパーにはエヴォリッジ・シャロータイプ2.5号のイカメタルカラー各種

こちらはエヴォリッジ2.5号シャローのイカメタル対応カラーのひとつ「レッドヘッド/チャート」

繊細なアタリを捉えるために

シャクって止める。スッテの重さ分がティップにぶら下がって、一定のカーブを描いている。佐々木の持つロッドはその曲がりをずっと変わらずに維持している。

「これ、ティップに掛かるテンションが常に一定になるように、釣り人側でコントロールしています」

シャクりも大事だが、それ以上に繊細なアタリを乗せることが重要。

繊細なアタリを乗せるためには、ティップが激しく上下動してはアタリをとることができない。だが、船は揺れる。特にこの日は波もあり船は左右に大きく揺れていた。

佐々木の持つスピードメタルRは、ロッド自体はゆっくりと上下しているが、ティップのカーブは常に同じ状態にキープしている。まっすぐに伸びたり、深く曲がりこんだりしない。

「波の上下動の分を腕で吸収してやる必要がある」

スッテに触れる触手のタッチを目で見極めるために必要なことである。まず、大前提として上半身がグラグラしてはロッドティップの揺れを抑えるどころではない。

「必ず腰をどこかに当てて動かないようにする。座れるなら座る。座れないならもたれかかる。足や腰が波でグラグラしない姿勢を作る」

次にロッドの構え。グリップエンドを肘に固定しない。

「グリップエンドは腕のどこにも触れないように浮かせる。そして、手首を柔らかくして波を殺す」

グリップエンドを肘に当てたり、わきにかかえる人もいるが、それでは波の影響でティップが跳ねあがったり、深く曲がりこんだりしてしまい、ケンサキイカのわずかなアタリを見極めることができなくなる。

「これができないとアタリが半減してしまうし、イカメタルの本当のおもしろさを体験できない。」

ステイ時間の目安は10秒。長い時は20秒、止めるときもある。

スピードメタルR、そのセレクト

「はじめは軟らかいロッドを使うと、不慣れな操作をカバーしてくれたり、あらゆる意味でロッドがケンサキイカを釣ってくれる。スピードメタルRならB65MLがオススメですね」

スピードメタルRは全6機種展開。しなやかさを持つ機種から、張りがありアグレッシブに誘い掛けていく機種までさまざまだ

連日、海へ繰り出す佐々木の場合、より攻撃的に攻めることが可能な硬めのロッドを好む。

「最近はスピードメタルR B65Mの出番も多いです。波の影響を処理できるようになると、より細かな操作が可能で、微細なアタリをダイレクトにとりやすい硬い調子の釣りが面白くなる。柔らかいロッドは勝手に釣れていたが起きるアングラーをサポートしてくれるロッド。硬いロッドはスッテにタッチしたケンサキの微細な違和感をすべて掛けていくロッド。硬いロッドの方がベテラン向きといえば語弊がありますが、ゲーム性が高いのは硬めのロッドです」

タナは14~25mの間であることが多い。その日、そのタイミングでタナは上下する。ケンサキイカのタナは中層ではあるが、シビアだという。1mの差を許容しない日もままある。カウンター付きのリールは必須といえる。なお、タナは船長の指示に従うこと。

「各船の船長によって指示ダナを徹底して守らないと怒られるところもあるし、割と自由にいろいろなタナを探らせてくれるところもある。これは船宿しだい。ただ流れが速く、混雑しているときにひとりだけ違うタナを探ったりすると、糸が絡まったりするトラブルが発生しやすくなります」

佐々木さんが船長を務めるフィッシング光栄では、乗り合いの場合は最大人数を4人と限定することで間隔を広くとり、比較的、自由なタナや誘いを推奨しているが、こればかりは各船のルールにあわせるしかない。

【フィッシング光栄公式サイトはこちら

 

使用タックル

ラグゼ・スピードメタルR

ラグゼの最新イカメタルロッドが「スピードメタルR」。全5機種のベイトロッドで、レングス6フィート5インチがML、M、MHのラインナップ。

5フィート7インチのショートレングスにはMHとHの2機種。よりテクニカルで細かな誘いに長け、B57Hはグラスソリッド搭載の極先調子モデルと個性が光る機種。

モデルNO. 標準全長(ft/cm) 希望本体価格(円) 標準自重(g) 仕舞寸法(cm) パワー 使用材料(%) 継数(本) ルアーウェイト[oz(g)] 適正ライン(PE/号) 先径(mm) グリップ長(mm)
B65ML 6’5″(196) 35,000 103 102.5 ML C99.9 G0.1 2 5~20(19〜75) 0.3~1 0.7 400
B65M 6’5″(196) 35,500 105 102.5 M C99.0 G1.0 2 8~25(30〜93) 0.3~1 0.7 400
B65MH 6’5″(196) 36,000 106 102.5 MH C99.0 G1.0 2 10~30(38〜112) 0.3~1 0.7 400
B57MH 5’7″(170) 35,500 97 89.5 MH C99.0 G1.0 2 10~30(38〜112) 0.3~1 0.7 380
B57H 5’7″(170) 36,000 104 89.5 H C93.5 G6.5 2 12~40(45〜150) 0.4~1.2 0.7 380

【スピードメタルR詳細はこちら

スピードメタルスッテFF

ファストフォールを意味するスピードメタルスッテFFはその名の通りフォールスピードの速さが特長。

また、スモールシルエットでタフコンディションの強い味方で小型への対応も◎。その抱きやすさ故か、周囲でドロッパーに乗る状況が多い時でも高い確率でスピードメタルFFに乗ってくることが多い。

ウエイトは10、12、15、20、25号。

【スピードメタルスッテFF詳細はこちら

スピードメタルスッテSF

スライドフォールを意味するスピードメタルスッテSF。ボディ側面のエッジがイレギュラーフォールを生み、フォールで見せるスッテとなっている。

引き抵抗も軽く、さまざまなシチュエーションで使えるオールラウンドな性能も魅力。

ウエイトは10、12、15、20、25号。

出典:ラグゼ

【スピードメタルスッテSF詳細はこちら

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GAMAKATSU(がまかつ)

1955年創業。大阪府大阪市に本社を置き、シンガポールに本店を置く。釣り竿、釣り針、ウェアなどをメインに製品を開発・製造・販売を行っており、ルアー部門では「ラグゼ シリーズ」が有名である。
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