例年、この時期になると「釣れ始めた!」なんて声がちらほらと。遂にタチウオのシーズン突入ですね!
バイトした瞬間のロッドが止まる感触。思い出すだけでスグにでもフィールドに向かいたくなるほど。基本夕方から夜に掛けてのゲームなので、会社帰りにちょこっとフィッシングで楽しめるのも人気の秘密ではないでしょうか?
さて! 手軽に狙えるタチウオですが、釣果を求めれば求めるほど奥が深く、中々一筋縄ではいかないことも良くある話。
とはいえ釣れない事もなく、時間帯が見事ハマれば連発なんてことも! このゲーム性の高さと始めての方でもエントリーしやすい絶妙なバランスがアングラーをトリコにしているような気がするのは記者だけでしょうか?
狙えるルアーも幅広く、バイブレーションプラグやメタルジグでも狙うことができますが、近年ではワインドゲームや、エサとルアーが融合したモノまで! 狙い方は色々。
少しエリアを変えれば春タチシーズン(4月)から初冬(12月)までの長い期間にわたり楽しむことができるのも魅力。
この記事では、旬を迎えるタチウオの生態を中心に釣りのポイントなどを紹介していきたいと思います!
タチウオの生態
一般的に夜行性といわれるタチウオ、実際どうでしょうか? いろいろ調べた結果、ベイトフィッシュの動きに依存しているとのこと。
ショアから効率よくタチウオを狙う場合、時間帯的には朝マヅメや夕マヅメ・夜間に狙うのが一般的。この時間帯に水中では何が起こっているのかというと、実はベイトフィッシュが回遊しており、実際に水面を観察すると釣り人の目でも確認することができます。
で、回遊が見えるということはベイトが「接岸」しているという証拠。実は日中もモチロンベイトは回遊していますが「接岸」していないため、回遊を確認することができないのです!
そして夜間は港の中や、常夜灯付近などにベイトが定着し、活動の範囲が狭くなります。
これらの条件にタチウオの動きをリンクさせると夜行性だと思ってしまいますよね。 でもそうでもなく、船で狙うタチウオはデイゲームが多く、真昼間に水深5mなんかでもタチウオが釣れるなんてことも!
沖のベイトフィッシュが溜まっているエリアに遭遇すると、そのようなことが起きてしまいます。
ということは、「ベイトフィッシュの動きと回遊ルート」にタチウオの1日の行動は深い関係がありそう…。
当然、これがすべてではないと思いますし、明らかにローライトコンディション時の方が活性が高いと感じている方も多いのではないでしょうか?
ただ「夜行性」という事だけに捉われていると、見落とすエリアもあるので注意が必要。
いつものポイントでも、ベイトフィッシュが溜まる深場がどこか近くにあるのかもしれません。それは日によって違うので、探し当てることは非常に難しいことではありますが、見つければ自分だけ連発させるという事もできます。
タチウオ自体の1日の行動パターンだけではなく、ベイトの行動パターンにも目を向けて、広い視野で考えてみると楽しいですし、釣果につながるヒントにもなるかもしれませんよ!
タチウオは主に小型の回遊魚(アジ・サバ・イワシ・キビナゴ・イカなど)などを好んで捕食しています。中でも大型になるような個体はカロリーをより多く摂取しないといけません。
さらには運動量をできるだけ減らせて捕食できればさらに、「大型」への道は開けます。
当然エリアによっても異なりますが、アジの群れに付いているタチウオは大型が多い傾向にあります。さらにはコノシロの群れに付いているタチウオはさらに大型の確率が高い印象。
そして、小型のタチウオを捕食しているタチウオは大型の確率がUPします! ボトム付近の大型はアナゴを好んで捕食している時期もあるので、小型回遊魚だけという訳ではありません。
多くの釣り人が気になっているのでは? タチウオの捕食方法。
主に簡単に捕食できるエリアに追い詰める「追い込み型」が多く、ベイトの群れの下方より突きあげるようにして捕食していることが多いです。
ライト下などで見ていると非常に獰猛かつ繊細に捕食しているシーンを目撃することがありますが、派手な捕食はしないで(小型は水面でボイルすることも多いですが)一瞬にして水中に散らばるウロコなどからしか捕食を確認することができないほど。
鋭い歯で小さく噛み切って捕食している固体も居れば、意外にも丸飲みされたベイトが胃袋からでてきたりもします。大型になれば一撃必殺で獲物を捕食しているようにも思えますね。
静かにベイトに接近し、狙い澄まして捕食に移るのです。ということは、大型のタチウオのバイトチャンスは一度だけ。
ミスをしても追い食いしてくるのは中型タチウオまでです。そう思えばあの時のミスが実は大型だったのかも…と思い当たることがありませんか?
タチウオは深場と浅場が隣接している海域で、砂・泥の底質と適度な潮通しがある場所を好んでいるようです。
そういった場所はエサとなるベイトも多く、捕食行動をとる時にも都合がよいうえ、外敵からも身を守りやすいエリアといえます。
ウロコのないタチウオは外傷を受けやすいため、上記のようなエリアであっても海中に浮遊物(流木やゴミ)が多いと嫌う傾向があり、底質が岩礁帯のエリアや、海藻が非常に多い場所も嫌います。
常夜灯などの明かり周りも好むのですが、明かりの真ん中よりも、暗い所との明暗部の境めを特に好みます。
意外な所では、水潮に対して比較的強く、雨後や河口などは思いのほか嫌いません。
潮流の流速が一定して速いエリアも得意ではなく、潮流の緩急ができる地形を好み、そして急激な濁りが入ったエリアを嫌う反面、常時濁りのあるエリアでは濁りを気にしないなど、ヒトコトでは済ますことができない奥の深さがタチウオにはあります。