今江克隆のルアーニュースクラブR「令和時代の最強TOPか!? 鉄ネズミ(メタルマウス)誕生!」の巻 第1012回
「ミニマウス」→「アイアンマウス」
そして、自宅にある多種多様な「ミニマウス」のサンプルから、当時最も気に入って大切にしていたワンオフの「ミニマウス」を探し出し、野池でアクション調整をしたうえで初夏の湯原湖でのロケに持っていった。
その時は「ミニマウス」で釣るのが目的では全くなかったのだが、なんとなく雰囲気がよい場所で、たまたまPEベイトフィネスのロッドに「ミニマウス」を結んで投げてみたところ、それはもう「驚愕」の一言だった。
ナイロン使用が前提の「ミニマウス」だが、ナイロンよりさらに比重が軽く、伸びのない「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」で使うと、その軽快な「動き」と「飛距離」はまさに「驚愕」の一言だった。それを「ガゼル」ベースのショートで張りのあるロッドで操作すると、まるでバズベイトのごとく高速でショアラインを次々と流していけるスピーディさに、一瞬で虜になってしまった。
そのリズムの良さに取材のお題も忘れて投げていると、まるでJAWS(ジョーズ)のように引き波を立てて巨大な黒い影がチェイス、アっと言う間に追いついて「ミニマウス」をひと呑みにしてしまった。55cmをゆうに超えるムキムキ巨体のバスはPEベイトフィネス(PEBF)によって抵抗する術もなく瞬殺されたが、この1匹が「ミニマウス」を新たに「メタルマウス(鉄ネズミ)」として、PEBFで扱える最高の戦略トップウォーターとして、復活させることを決めさせてくれた。
ブレない弾道、驚くほどの飛距離、クイックな高速ドックウォーク…
「メタルマウス」は、もうこの時点でナイロンライン、PEラインで使うには完璧に完成域だった。ただ「できれば、フロロカンボンラインでも使えれば…」と言う、かつて「ミニマウス」をお蔵入りさせた邪念は消えなかった。
そこで開発課の長井と考えたのが、フックをフロント一本にしてターンの視点軸を一点にすると同時に軽量化、リアフックの代わりに浮力の強いエラストマーをテールとして採用することで、ボディ重量を維持したまま、フロロでも何とか普通に使えるレベルまで全体浮力を上げることにチャレンジした。
開発課の長井は、元はトップウォータールアーメーカー「スポーツザウルス」のルアー開発をしていただけに、トップウォータールアーに関するノウハウは特に秀でたものがある。その長井が自分の「ネズミとしても使えて、フェザーフックも使えるダブル仕様にしてほしい」と言うワガママ極まりない注文を見事に、今回は「意味あるネズミ化」することで実現してくれた。
結果的に「MINI MOUTH(ミニマウス:小さな口)」は新たに「METAL MOUSE(メタルマウス:鉄ネズミ)」となってこの夏、遂に完成を見た。
弾丸のように全くブレない弾道、驚くほどの飛距離、唾を吐きまくり「擬似ボイル効果」を誘発するクイックな高速ドックウォークは、PEベイトフィネスでPEラインを使うことでMAXに最強化される。
もちろん12~14lbナイロンラインでも抜群だ。
そしてフロロタックルでのとっさの代用も可能になった。高速性能とスローでの喰わせ能力が必要な時は「ネズミ仕様」、パンチの効いた強いスプラッシュと強い水押し、同時にフッキング重視が好みなら、テールホールを利用することでフェザーフック仕様に変えることも可能だ。
ただデフォルトのシングルトリプル仕様でも、たいていは猛烈に本気喰いしてくるのでフッキングが悪いと思ったことは一度もない。
バラシに関しても、ローリングスイベル仕様のフックハンガーなので、現在のところ掛けバラシはない。この「メタルマウス」は、簡単で疲れがほとんどないので、投げて動きを見ているだけでも楽しくなるトップウオータールアーである。
気になる!「メタルマウス」リリース情報は次ページで!!