今江克隆のルアーニュースクラブR「テムジン復活!? ついに公開!テムジン・コンセプト最新バスロッド4モデル」の巻 第1007回
ウッドペッカー510ULX
すでに「ウッドペッカー510ULX」は完成しているが、このロッドを一言で表すと、かつて30トンの高弾性ソリッド削り出しでしかアクションを出せなかった高弾性オールソリッドロッドに極めて近い性格を持つ、高速で明確な「ワーム叩き」ができる超軽量のフルチューブラーロッドである。
オールソリッドでは重量が重くなるため、「スキニーイール3インチ」の0.6gクラスの超軽量リグは投げづらく、同時にその重さが肘や二の腕の疲れに大きく影響する。「ウッドペッカー」はプロト段階ではあるが、バットの太さはオールソリッド並み、75gの超軽量ながら1.5kgの45度角リフトをクリアする強度を実現している。
超軽量、超ショートゆえにキンキンの高弾性でも超軽量ルアーが気持ちよくピシっとスナッピーに投げられる。
ちなみに「ウッドペッカー(キツツキ)」と名付けた由来は、キツツキが硬い木に穴を開ける時、タタタタタンっと細かく高速で強い、正確なリズムでビートを刻むそのイメージが、このロッドでワームを叩くイメージにカブるからだ。
ソリッドティップのロッドでは、ソフトなティップがティップの振動を吸収してしまい、水中深くまで「叩く」力を伝えていないことが多い。シェイクしているのは竿先だけで、水圧とラインスラックの出る水中のルアーにはほとんど伝わっていない。特に極小のネコリグを生きたミミズが落水してもがき苦しむように痙攣バイブレーションさせながら、同時にミドストのようにボトムスレスレを連続リトリーブするネコリグスイミングでは、ロッドティップの「叩き」の伝達能力差でネコリグの痙攣具合に大きな違いが生じる。
ネコリグをスピナーベイトのスローローリング感覚で使うためのロッド、超フィネスを攻撃的で速い「巻きの武器」に転換するために自分が必要としたロッドである。
「インスピラーレ」で長期間にわたって熟成を重ねた高弾性33トンの「T1100G」技術は、今まで30トン高弾性フルソリッド削り出しでしか成しえなかった「張り」と「破損強度」の両立をクリアし、劇的な「軽量」、「高感度」化を実現させた。手にした者誰もが「マジで、これがバスロッド!?」と驚きを隠せない、コンバット史上例を見ない異端の存在、今江克隆以外の使用者を一切無視したホモロゲロッド、それが「インスピラーレ」とは対極に位置するテムジン・エゴイストコンセプトである。