今江克隆のルアーニュースクラブR 「グリフワ釣法!雨天や荒天時に効くオススメメソッドを紹介」の巻 第1006回
フワフワさせる水深の目安
ここで重要なのは、縦ストラクチャーの横でフワフワさせておく水深なのだが、目安はその時の透明度の限界水深程度がよい。
理由が、バスのサスペンドする水深は、透明度の限界地点より少し下だから。
これは天候条件によって大きく変わる要素なので、その日その時で明るめのカラーのルアーが見えなくなる水深がどれぐらいかを事前にチェックしておくことが大切だ。
狙うべき着水点は?
まず狙うスポットの向こう側にキャストする距離は、そこから「ギルロイドベビー(ギルベビ)」を狙いの場所までグリグリっと巻いてきて、ちょうど限界透明度水深に達するぐらいに調整する。
浅ければ目標の向こうにチョイと投げてグリグリっと少し巻くだけでストップする。このキャスト距離が短い時は着水音を極力小さくすることが重要だが、荒れた天候なら影響は少ない。
逆に透明度が高い場合は目標のかなり向こうに投げてグリグリ巻いてきて、目標手前で狙いの水深に達したら「脱力」させる。どちらの場合も、不要にラインを水中に入れないためにもロッドは立てて巻くのが基本だ。
リップとブーツテールの相乗効果!
ここまでが操作の基本だが、「そんなのギルベビでなくてもいいんじゃないの?」「普通のギルロイドJrでもできるんじゃないの?」と思うかもしれない。ところがこの釣り方は「ギルロイドベビー」専用といってもよいぐらい、ギルベビ(リップオン状態)にはコレにしかできない副産物的な性能が備わっている。
その副次的性能こそが、リップとブーツテールの相乗効果にある。
基本的にギル型のみならず、フラットテールのジョイントビッグベイトにリップを付けると、曲がる関節の影響でアクションが非常にバタバタと不自然に大きくなってしまう。ところが「ギルロイドベビー」の場合、リップによって起こる左右へのウォブルパワーと、リアの大きなブーツテールが前後ダブルで相互駆動するため、姿勢が極めて安定した4WDのようなアクションを発生する。
バタつかず、タイトながら波動を前後からダブル発生させるため、巻きの集魚パワーは「ギルロイドJr.」を凌ぐものを持っている。
またリップは巻けば自動深度調整板になり、止めたら移動距離を最短に抑える制動抵抗板にもなる。これも面倒が少ない荒れた天候向きだ。
そして「ギルロイドベビー」最大のメリットは、ジョイントの下半身と超デッドスローでこそ威力を発揮する大きなブーツテールが、ほぼ静止させていてもフワフワ、ユラユラと一ヶ所で自発的にバスを誘い続けてくれることだ。
この姿が、「アベンタクローラーRS」のスーパーデッドスロー表層ピクピクにカブったので、それを水面下で再現するイメージで試したところ、「ギルロイドベビー」にしかできない「グリフワ巻き」が生まれた。
いつ、どこで使うべきか!?「グリフワ巻き」のメリット!