今江克隆のルアーニュースクラブR 「注目の新スタイル!PEベイトフィネスの核心」の巻 第1004回
「PEベイトフィネス(PEBF)」に最適なラインは?
最後に「シビアなPEBFのライン選び」だが、これまでほぼ全てのPEラインをテストしてきたが、スポンサー忖度なしにバークレーイの「スーパーファイアーライン ウルトラ8/1.5号」が一択と言ってもよいほど信頼している。
正直、この結果になったことに自分が一番驚いているほど、予想外な選択だった。その理由は、比重が重すぎず、軽すぎないナイロン相当、8本撚りでコーティングを施した上で熱延伸をかけているため、フロロカーボン以上のドン引きするほどの硬さと張りがあり、特に「PEBF」で絶対的に最優先性能である「対磨耗性能」に非常に優れている点だ。
「PEBF」でPEラインが切られるケースは100%、岩、枝、そして最も多いのが「デカバスの上アゴ」で激しく擦られた時である。どんなに引っ張り強力が強くとも、対磨耗が悪いPEラインは一瞬であっけなく切られてしまう。特に至近距離で掛けたテンションマックス時に上アゴ切れが多発しやすい。
この対磨耗比較実験&実釣テストに最後残ったのが、期待していなかった「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」である。
ただし、この「PEBF」においては、非常時3kgリフト、対ヘビーカバー耐久力、対ショック性能もテストした結果、「太さ」の安全マージンは絶対に必要と言う結論になった。それが「PEBF」として安心して使えるのは「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」の「1.5号」という最終選択である。
1.7号があれば最高なのだが…。
特に「PEBF」をオカッパリ兼用で使う場合、PEの1.2号以下は推奨できない。これは「PEBF」の場合、いかなる高性能高級PEでも同じである。
ちなみに「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」、自宅で初めてリールに巻いたら、10人中10人がそのゴワゴワさと、糸クセのヒドさ、ガイド鳴き音のヒドさにドン引きすると思う。しかし、敢えて恐ろしくゴワゴワにコーティングし、熱延伸まで掛けて芯まで染みこませているのは、ベイトタックルで激しく使った時に表面コートが剥がれ落ちることを前提に、本当の真価を発揮させるためだ。
「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」は、実戦で使い込む方が馴染んできて糸鳴きもクセもつき難くなる。使いこむことでその使用感は馴染み、比重的な扱いやすさ、バックラッシュの解きやすさ、そして白いのにクリスタルと呼ばれる所以に驚くことになるだろう。
補足として、「スーパーファイヤーライン ウルトラ8」は熱延伸コートのためか他のPEラインに比べ、ラインコートの効果が明確に出るPEラインでもある。特にエバーグリーンの「E.G.ウルトララインコート」とは非常に相性がよく、糸鳴き、糸馴染みが明らかに良くなるのでオススメしておきます。