今江克隆のルアーニュースクラブR 「新戦略!PEベイトフィネスを超解説」の巻 第1003回
「PEベイトフィネス」と「ベイトフィネス」のタックル的な違い
この「PEベイトフィネス」と「ベイトフィネス」の決定的な違いは、ひとえにそのタックル強度の違いと言えるだろう。
ベイトフィネスタックルは7〜8lb、2〜7gまでのMLクラスのライトタックルが基本だ。しかし、PEBF用に設計されたロッドは、ガイドセッティングをはじめPE1.5号を基本とし、何より決定的なのが「最低でも3kgをリフト(55cmクラスのブラックバス相当)」ができる圧倒的な強靭さを持つことである。これはPE1.5号が標準的にフロロの20lb相当、約10kg前後の引っ張り強力があり、この強さを活かせるロッドでなければ「PEBF」のメリットを最大限に活かすことができないからである。
ここで3kgリフトができるロッドとなると、通常では7フィート、MH以上の相当ヘビーなタックルを連想するだろう。しかし、PEBF専用ロッドは3gのスモラバをも気持ちよく扱うために、総重量は110g以下の超軽量が絶対条件になる。
圧倒的な強靭さと、超軽量ルアーを違和感なく扱える矛盾を可能にしたのは、ひとえにロッドの「ベリーショート化」、即ち6フィート未満化による物理的メリットである。
ロッドは6フィート未満にベリーショート化することで、重量を増さずにブランクスの筋肉量を短いブランクスにより密集させることができる。全長を6フィート未満に凝縮することで、「折れない肉厚の強靭さ」と「軽量軽快さ」を両立させることができるのだ。
これは海外の怪魚用パックロッドや、深海巨大魚用のジギングロッドがベリーショートであることからも証明されている事実だ。短くて強く、軽いがゆえに、3gのスモラバのピッチングでも違和感がなく、フロッグや「アベンタクローラーRS」、「ギルロイドベビー」クラスのビッグベイトでも、ロッドが負荷に負けることはない。
ただ3g前後を気持ちよく扱うため、ベリーショート以外に製法上の秘密がもう一つあるが、それはしばらく秘密にしておきたい。
ベリーショート化による影響は?