今江克隆のルアーニュースクラブR 第1001回「ロッドビルディング最新最先端の象徴!」の巻
ブラックレイブン エクストリーム/66MHX
2020年、エバーグリーンからは市場デビューからすでに5年目を迎えた「インスピラーレ」シリーズにおいて、素材的にも技術的にも最も熟成された最高峰バスロッドとして一つの区切りとなる追加3機種が発表される。今期予定の3機種に関しては、それぞれがその分野での現時点でのロッドビルディング最新最先端の象徴とも言えるものになるだろう
まず、現時点で最も早く8〜9月に先発リリースが予定されるのは「ブラックレイブン エクストリーム/66MHX」である。
このロッドの特徴は一言で言えば、高強度高弾性カーボンの極みである「キレ」と「軽量性」を併せ持つ、3.5〜14gをメインとしたジグ&テキサス、17〜21gのメタルバイブ等の操作性にすぐれた底モノ専用高感度ロッドである。
片手で全ての操作を完結できる超軽快な使い心地ながら、インスピラーレシリーズで熟成された「T1100Gナノアロイ」技術に、現在最新最先端の超高弾性高強度カーボン「M40Xナノアロイ」をバスロッドのメインシートとして初採用。電撃系の切れ味に粘り強さをも併せ持つ超高弾性ロッドを初めて実現した歴史的ロッドと言っても過言ではないだろう。
机上の初見では、思いのほか素直なティップの入りに、硬くて張りのある高弾性のイメージが「???」となる方が多いかもしれないが、これこそが「T1100G(33トン)ナノアロイ」、「M40X(40トン)ナノアロイ」特有の感触で、これが実際に使うと「撓(しな)るのに掛かる」事実にまず驚かされると思う。
これはすでに「ブラックレイブン エクストリーム」を先立って使ったアングラーが口を揃えて驚く特徴である。その予想外のティップの撓(しな)りから、3〜5g前後のやや重めのパワーベイトフィネスロッドとしても、極めて優秀なロッドであると追記しておきたい。
「ブラックレイブン エクストリーム」は、感度最優先のコルクの「RS」モデル、1機種でリリース予定だ。
クーガーエリート7/70MFX
次に、5月に最先発予定だったのがコロナで大幅に遅れた「クーガーエリート7/70MFX」も「ブラックレイブン エクストリーム」に1ヶ月遅れ(9〜10月)でリリースされる予定である。
「クーガーエリート7」は、「ブラックレイブン」と対照的なハイテーパーのレギュラーファースアクションながら、ミディアムクラス、長尺7フィートロッドとしては奇跡的とも言える、高レベルでスパインレスを実現した「巻きモノ系ロッド」である。中弾性低レジン極薄カーボンをメインに、「T1100G」、及び30/60狭角4軸クロスをベリーまでラッピングし「ネジレ挫(くじ)き」を最小限に抑えるコンストラクションを採用している。
このロッドの最大の特徴は、その卓越したキャスト精度にあり、どのような投げ方でも「ルアーを真っすぐ飛ばす」と言う、一見当たり前ながら、実は明確な差を誰もが実感できるレベルで実現しているところにある。
素のブランクス状態で、ほぼ反りのない超高品質なブランクス故に成せる、30年クオリティと「キャストの楽しさ」を再確認できるロッドである。
8〜20gのハードベイト全般、特にスピナーベイト、チャターベイト、「アベンタクローラーRS」(クローラーベイト)等、ロングキャストと精度、同時にていねいな操作性を要求するプラグ全般に広く対応する。また7フィートながら片手で扱える軽量性と、ファーストテーパー寄りのアクションのため、自分は「ウナジュウ(イールクローラー10インチのネコリグ)」のメインロッドとしても使用している。
「クーガーエリート7」は、ダブルハンドEVAのショーでの反響が大きく、EVAダブルの「GT」モデル、コルクセパレートの「RS」モデル、2機種がラインナップ予定だが、先発リリースは「RS」モデルからになる。
異質なスローテーパー!匠のロッドが登場!!