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【伊東由樹のメガトレンド最前線!】2020年生まれ変わるNEWデストロイヤーの全貌を直撃インタビュー【第二回】

連載:伊東由樹「メガトレンド最前線!」
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スピニングリールシートの形状も、エヴォルジオンなどで見られたメガバス独自のブリッジ構造をさらに進化させたデザインですね。

 

スピニングシートのMBCSは、かつて私が長崎の眼鏡橋(強靭な構造として世界的に知られる中島川に掛かる日本最古のアーチ型石橋)の構造に感銘を受け、突如インスピレーションが沸き、本社ファクトリーに構造データを依頼してメガバスが3D化したデザインです。

エヴォルジオンの金属製のハンプバックシート同様に、スピニングリールのフットをいかにアングラーの手と違和感なく、干渉させ過ぎず、キャスティング、スウィープフックセット、ダウンホールド、アップロックホールドなど、スピニングロッドで多用されるあらゆる動作解析をしながら、強靭かつシンプルなブリッジフレーム構造を割り出し、そこへ人の手の平に優しく納まるエルゴノミックな面を最小限、貼り込んでいきました。

 

B.A.S.Sのエリートシリーズで戦うMOA(MEGABASS OF AMERICA Inc.)のクリスも、勝つためのフィネス・ストラテジーで多用せざるを得ないスピニングロッドの釣りで、MBCSという最強かつ最高に快適な超軽量スピニングシートが完成した、と気に入っています。

シビアなプロツアーで戦う彼らトーナメントアングラーは、MBCSをスピニングロッドに使用することで、同パワーのロッドを6インチ以上長く製作しても、これまでよりも軽いスピニングロッドが出来る、と分析しています。MBCSのおかげで、ディスタンスアプローチをよりいっそう優位に展開するスピニングアイテムの数々がラインアップできました。

 

デストロイヤーの先進的なエルゴノミクスなどスペックが、かつてのメガバスのチームメイト、アーロン・マーティンスによるB.A.S.Sプロツアーの最前線でA.O.Y(アングラーオブザイヤー)獲得やおよそ20年に及ぶバスマスタークラシックの頂点争いなど、アメリカのプロツアーの舞台でも活躍してきた長い歴史がありますね。

そうですね。デストロイヤーは、‘96年にデビューしたと同時にアメリカのトーナメントで導入されていました。

西海岸ではアーロン・マーティンスがデストロイヤーをいち早く気に入って試合に導入していましたね。彼がまだB.A.S.S.のツアーに参戦する以前から、デストロイヤーのF3-610XSを西海岸のトーナメントに積極的に導入して、OKASHIRAヘッドを使ってレイククリア戦などで優勝してアピールしていました。

 

古くは(90年代後期)、米国REDMANチャンピオンシップで初代デストロイヤー(フェイズ1)を愛用するディーン・スターキーがチャンピオンシップを完全制覇、ランディ・ブロウキャットのセントラルPROAMでの優勝劇やダニー・コレアの活躍など、デストロイヤーは、アメリカのトーナメントシーンで長きに渡って戦歴を刻み続けています。これまで実に多くの結果を出してきたことで、日本のハイスペックバスロッドを象徴する存在のひとつとして、DESTROYERやKIRISAMEの名が現地でもよく挙げられます。

米北部・中部・東海岸・西海岸まで、私もデストロイヤーと共にアメリカ各地のフィールドをまわってきました。

フィネスのような日本の繊細なメソッドとアメリカのパワーゲームの双方が展開できるラインアップが初代オリジナルデストロイヤー(フェイズ1)の特長でした。2020年の新たなデストロイヤーも原点に回帰するラインアップです。その上で現在進行形の現代の釣法へのアジャスタビリティを煮詰め、格段のスペックアップをしています。

 

とくに最近の米国のロッドマーケットでは、特定フィールドの試合に勝つためにワンオフ導入されたLAIHAの話題や、トーナメントのヤングジェネレーション層に人気のLEVANTE、OROCHI-XXなどが台頭しつつありますね。現地では特にデストロイヤーについては、日本からやって来た「勝つための道具」というイメージが強いのではないでしょうか。

たしかにアメリカでは、競技仕様ロッドのイメージが強くなっていますね。

一方では、90年代の後期、当時は琵琶湖・湖西で伝説のデカバスハンターとして名を馳せた立田博さんや、東では国民的な名俳優のTSさん、奥多摩の怪人こと横島勝さんなど、彼らが愛する歴代デストロイヤーが備えていたライフスタイルへのマッチングや「アート性」を失ってはならない、と考えています。

新たなデストロイヤーは、そうしたオリデス独自の美意識や意匠的な美学についても、次のステージへと昇華できたと考えています。

おっしゃる通り、特に海外ではデストロイヤーが、「冷徹な道具」、「仕事で成果を得るための道具」とされる由縁は、その歴史にあると考えています。

日本では、90年代末の児玉一樹による2度にわたるJBのA.O.Y獲得、柳栄次によるJBワールドチャンプ獲得、盟友の故・井出プロによるJBワールドチャンプ獲得など、あらゆる競技の舞台でデストロイヤーは、当時無名だったチャレンジングな歴代の戦士たちの夢と目標を実現させ、彼らの仕事である「魚を獲る舞台」で完全なる勝利に貢献してきたことに起因しています。

 

私自身、これまでの仕事(実釣ロケ)で数々の難関をクリアし、雑誌のグラビアを飾ったビッグフィッシュやDVDやTVのメモリアルフィッシュの裏側には、必ずデストロイヤーがありましたから、たしかに結果を出すための仕事の道具、冷徹なツールだったかもしれません(笑)。

そうしたデストロイヤーのチャレンジングな史実や初期のイメージが海外の若いアングラー層にも伝播して広がり、いまはアジア、欧州(イタリア、フランス、スペイン)などでも競技ユースからの支持層が圧倒的に高まり、日本以上にデストロイヤーは、スペック至上主義の戦闘アイテム、そんなイメージが定着しつつあると思います。

デストロイヤーの歴史を紐解けば、原資というか始祖は、86年にデビューしたメガバス最初のロッド、ARMSです。ARMSは機能性だけでなく、アーティスティックな表現もされたロッドです。2020年のデストロイヤーからは、もはや始祖とは無縁の異なるアプローチとして、ARMSブランドよりも先に導入した5Dグラファイトシステムなど、「独自の因子を持つ新たな存在」へと進化したと考えています。

 

クリス・ザルディンやオリバー・ナイなど新世代のメガバススタッフは「LAIHAという特別な化学反応をもたらす壮大な実験が新たなハカイ者を生み出した」と考えています。

そうかもしれません。だとしたら、新ハカイ王、NEW DESTROYERは、これまでARMSのDNAを受け継いできた歴代の破壊者「デストロイヤー」を破壊する、革新的な進化を遂げたといっていいでしょう。

「破壊と創造」こそが、新たなアートを生み出すのですから(笑)。

 

…Vol.3へつづく

第一回はこちら

【伊東由樹のメガトレンド最前線!】2020年生まれ変わるNEWデストロイヤーの全貌を直撃インタビュー【第一回】

 

Brand New DESTROYER 「破壊革命。新・ハカイ王が、破壊王を破壊する。」

出典:YouTubeチャンネル「Megabass Channel」

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