今江克隆のルアーニュースクラブR 第999回「吊るさない吊るし!? が変えるデカバス事情!仮想TOP50弥栄湖戦」の巻
最新「吊るし」テクの発表会
次に最強の攻め手である「ギルロイド」と「ウナジュウ」に対し、大きさは極端に違うが考え方はそのフィネス版とも言える確実性が高いもう一つの最高の攻め手が「吊るし(提灯:チョウチン釣り)」である。
3年前の弥栄湖戦での上位陣のほぼ全員が、この「吊るし」戦略を用いたものだった。当時は「三原虫」を中心にした「沈む虫」系の「吊るし」が中心だったが、回遊性の高く浮きマクりのアフターを仕留める鉄板はやはり「虫」系「吊るし」が鉄板である。
この試合では虫系ルアーの「空中提灯」、「フライングダウンショット」、「沈み虫の水中SP提灯(吊るし)」、果ては4位に入った黒田プロの「アベンタクローラーRSのナンチャッテ提灯巻き」まで、試合後中はまさに「提灯テクの発表会」状態だった。
ちなみに自分も「ウナジュウ」の吊るしでロクマルを仕留め、PEスモラバの岩影提灯(水中SP吊るし)で決勝でも50cmUPを仕留めている。TOP50プロ達がスモラバの水平浮きを意識し始めたのもこの頃からだろう。
印象的だったのはエバーグリーンの小林知寛プロがやっていた、めちゃくちゃ高い木のオーバーハングにフロッグ?を吊るして、延々と提灯状態でスクールが通るまで一生待ち続ける「無限提灯」で、なかなか笑えた。
最強の「吊るし」戦略を煮詰める…
まさにこのような環境から、今年の同時期開催となる弥栄湖戦に向けて早い段階から「最強提灯戦略」を煮詰めてきたのは自分だけではないと思う。
吊るし専用ロッドの再開発に始まり、ジグの平行浮き姿勢を簡単に実現するハイフロートの「エリートクロー」、「ハドルスイマー3&4インチ」の浮くエラストマー化など、弥栄湖戦のために仕込んだ開発ネタは数多くあった。
さらに弥栄湖戦のため、横の動きを好むアフターバス狙いの隠し球として準備していたのが、中空ワーム素材から高浮力のエラストマー化し、ドックウォーク性能を改善した「フィネスフロッグミニ・エラストマー」である。
また、元祖提灯ルアー「ダイイングシケーダー」をエラストマー化し、吊るさずに一点で長時間粘れるように羽根だけでなく脚にも粘れるギミックを搭載した、虫のようなカエルのような、通称「シケフロ」も準備していた。
もし今年、春の弥栄湖戦が開催されていたら、TOP50ではもはや普通の吊るしはベッドのサイト並みに「誰もが既にマスターした普通の釣り」になっていただろう。
普通の釣りになった「吊るし」の先の一手とは?