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今江克隆のルアーニュースクラブR 第996回「高弾性ロッドの復権とバスロッド革命の兆し!」の巻

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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強豪プロが武器とするロッドとは?

当時、「テムジン」の高弾性は「折れやすい」、「扱いが難しい」、「キャストがしづらい」など、特に初心者中級者には戸惑いの声が多かった。ゆえに「テムジン」の高弾性ロッドは誰にも理解されたわけではなく、逆にそこを逆手に取った「反転する間を与えるロッド」と言う耳触りのよい謳い文句に時代が流れかけたこともあった。

しかしながら、あらゆるロッドを使い比べた今なら断言できる。TOP50シリーズの強者、特に攻撃型のプロアングラーが使う「スナイプ系ロッド」は実際に触ってみると、驚くほどに尖り切った「高弾性っぽい」ビシっと張りのある硬いロッドが非常に多い

三原直之プロの「アンセム(ロデオライド リバイバー61UL-M アンセム)」にしろ、青木大介プロ、福島健プロのロッドにしろ、主力ロッドの多くは一つ扱いを間違うと危険極まりない超極端なファーストテーパー、ビシっとした高弾性並みのハードベリーを持つロッドである。

もしこれらのロッドはソリッドティップ搭載技術が進化していなければ、いとも簡単にフッキングでティップ破損が頻発し一般的に販売するには超高弾性並みのハイリスクなロッドになっていただろう。

高弾性並みのベリーと評した理由は、「まだこの時点」ではメーカー的に高額で破損率の高い高弾性は回避し、中弾性24〜30トンの極薄シートを厚巻きすることでベリーの「張り」を出しているロッドがほとんどである。

ソリッドティップ技術は、ある意味でベリーまでガチガチのロッドを折れなくするための苦肉の進化と言っても過言ではない。もう一つは軽量ルアーでも「ティップに乗せて投げられる最小限の曲がりを必要としたから」である。スナイプ系ソリッドティップロッドは、スモールマウスバス等の喰わせのソリッドティップロッドとはまた別のモノなのだ。

それほど攻撃的な釣りを得意とするアングラーほど破損と背中合わせの「硬すぎるほど、硬いロッド」を実戦では使っているのが事実である。

しかしながら、メーカーはその破損リスクを回避するため、このテのロッドを絶賛宣伝することに二の足を踏む。コスト的にもリスク的にも「反転する間を与えるしなやかなロッド」と言う謳い文句は、量産量販を望むメーカーにとっては何かと都合がいいうえ、初級者~中級者にはより「売れる竿」なのである。

悲しいかな、強豪プロが自身の武器とする優れたロッドは一概にクセが強く、決して一般的に見れば「大量に売れるロッド」ではない。強豪プロアングラーの理想の竿と一般的に売れる竿は想像以上にかけ離れているのが事実である。(但し、リトリーブ系ロッドでは竿の性格が違ってくるので、そちらはスパインレス正統進化論で後日解説します。)

今年のTOP50戦から現場復帰させたテムジン時代の名竿、高弾性の「テムジン・ガゼル・グランドスラム」。 今後、この「テムジン・ガゼル」を高強度高弾性の「T1100G」&「M40X」化していく予定

高弾性ロッドが、さらに劇的に進化する!

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